2006 Fiscal Year Annual Research Report
浮世絵の画像データベースによる文学的・演劇学的解釈の研究
Project/Area Number |
15520134
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
山下 則子 国文学研究資料館, 文学形成研究系, 教授 (40311162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 協三 国文学研究資料館, 文学形成研究系, 教授 (60105567)
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Keywords | 見立て / やつし / 浮世絵 / 歌舞伎 / 擬え / 当世化 / 文学的解釈 / 役者絵 |
Research Abstract |
科学研究費補助金による補助事業の最終年度である本年度は、4年間の研究成果を様々な形で公開し、今後の研究の進展への手がかりと示唆を得た。研究成果の公開は以下の方法で行った。 1,一般公開展示「「みたて」と「やつし」-浮世絵・歌舞伎・文芸-」(平成18年5月10日〜18年6月1日、国文学研究資料館春季特別展)において、見立て浮世絵の展示とその解説部分のコンテンツを担当し、展示会場でのパネル解説及びリーフレット解説を執筆した。また、見立浮世絵を理解する上で重要な「やつし」の手法で描かれた浮世絵、「やつし」や「見立て」手法を用いられた版本についても研究を広げ、それらについても同様に展示解説部分のコンテンツを担当した。展示は多数の入場者があり、好評であった。 2,一般公開シンポジウム「表現としての「やつし」と「みたて」」(平成18年5月17日、於国文学研究資料館)を企画し、主に見立浮世絵と同様の手法を用いている文学作品を紹介し、浮世絵と文学をつなぐ立場で参加した。シンポジウムには、浮世絵専門家、文学(江戸時代戯作)研究者等が研究成果の講演と「見立て」と「やつし」に関する討議を行った。聴衆は約180人あり、その内訳は研究者と一般人が半々であり、どちらからも好評であった。 3,4年間で収集して研究した、見立て浮世絵及びその周辺の作品の中から、特に重要な70点についての文学的側面或いは演劇的側面からの考察を行い、その「見立て」或いは「やつし」の意味について詳細な解説を付し、全てデジタルカメラによる画像を同ページに示した冊子体の報告書を作成した。この報告書は、浮世絵・文学-演劇関係の各研究者に送付する。また、海外在住の日本文学研究者(イタリア、フランス、イギリス、アメリカ、カナダ、韓国等)にも送付する。 4,研究協力者(国文学研究資料館助手北村啓子氏)が、見立浮世絵の画像とその見立ての解説が共に見られるDVD(解説の音声付き)試作品の作成を行うに際し、コンテンツ部分の作成等の協力を行った。DVDへの展開は、次の段階の研究課題としたい。
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Research Products
(6 results)