2006 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀後半のフランスにおける小説の受容に関する、文化史的研究
Project/Area Number |
15520155
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮下 志朗 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90138610)
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Keywords | フランス文学 / 読書の文化史 / 活字メディア / バルザック / ゾラ |
Research Abstract |
・わが国は、多数のフランス文学研究者を擁しているものの、「19世紀の読書の文化史」の研究は立ち後れている。わたしは、16世紀研究が専門だが、そうした現状を見て、この分野に乗りだしてみた。それから10数年間、研究を続けたことになる。その間、数回にわたって、この主題で科学研究費を受領することができた。欧文の共著(パリ、2001)の他にも、『読書の首都パリ』(みすず書房、1998)、『書物史のために』(晶文社、2002)などをまとめることができて、一定程度の貢献はできたと信じている。そろそろ、ルネサンスという専門分野に撤退しようと考えており。「19世紀の読書の文化史」という主題の総括として、方法論を中心に考察した提要を執筆中である(刀水書房)。 ・本研究の実践態として、《ゾラ・セレクション》全11巻(藤原書店)の共同編集者をつとめている。2006年度は、第8巻『文学論集』(佐藤正年編訳)を刊行することができた。『美術論集』『書簡集』をもって、本セレクションも完結することとなる。 ・バルザックに関しても、今回の成果を生かす形で、いくつかの興味深い短篇を選んで、翻訳中である(光文社古典新訳文庫)。2〜3点は、本邦初訳作品となっている。 ・放送大学大学院の「地域文化研究III--ヨーロッパの歴史と文化」のために、現地取材を行い、19世紀のパリで、読書クラブ・書店・新聞発行元として、英語話者を中心にヨーロッパ中に顧客を擁した、Galignani書店の資料類を閲覧することができた。その一部は、番組(13回「近代読者の成立」)で紹介している。
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Research Products
(4 results)