2004 Fiscal Year Annual Research Report
17世紀イギリス王党派文学における隠蔽性とジャンルの使用に関する研究
Project/Area Number |
15520160
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
松崎 毅 お茶の水女子大学, 文教育学部, 助教授 (40190441)
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Keywords | 17世紀 / 詩 / 王党派 / イギリス / 文学ジャンル |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、17世紀王党派文学および同時期の文学ジャンルに関する書籍等の資料を購入・収集し、当時検閲下に置かれていた王党派文学の隠蔽性とジャンルの使用の関係を分析考察した。パストラルに関しては、王党派の特に詩のなかで、政治的な言説を隠蔽する手段としてこのジャンルがさまざまな形で使用されている実態を分析し、宮廷文化や貴族文化と関連の深いこの文学ジャンルがいくつかの固有のコードを持っており、一見して無害な外見を持つ牧歌的イメージや描写にしばしば政治的な言説が隠蔽/表出されていること、また、その言説を読み取る際にジャンル固有のコードを理解し共有することが王党派の文化的・階級的結束を高めたという論点を考究した。また、宗教詩・哲学詩・瞑想詩等、書き手と読み手が階級的に限定された他の文学ジャンルについても同様のことが言え、そこでは同時に、王権や教会という実体論的な権威を神秘化するために敢えて隠蔽的な言語が使用されているという事例も観察された。これらについては研究論文を執筆した。ただ、これまでの研究はごく限られたジャンルを対象にしたものであり、今後さらに対象とするジャンルの幅を広げ、より一般的な知見を獲得したいと考えている。また、設備面では、スキャナー、記憶媒体などのコンピューター周辺機器を整備・充実させ、より効率的な資料の分類ならびに分析を可能にするとともに、主に電子辞書・事典関係の電子書籍を購入してテクストの分析と読解における利便性を向上させた。
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