2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520188
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高橋 勤 九州大学, 大学院・言語文化研究院, 助教授 (10216731)
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Keywords | コンコード / 奴隷解放運動 / ウィリアム・ロイド・ギャリソン / ラルフ・W・エマソン / ヘンリー・D・ソロー / 超絶主義思想 / 逃亡奴隷法 / ダニエル・ウェブスター |
Research Abstract |
1.南北戦争前における奴隷解放運動 平成15年度の研究は、南北戦争前のマサチューセッツ州コンコードおよびボストン周辺における奴隷解放運動に関する調査を進めた。2003年夏ペンシルヴァニア州立大学に3週間滞在し、ウィリアム・ロイド・ギャリソンらの「奴隷制廃止運動」や逃亡奴隷の支援組織「地下鉄道」について調査し、資料を収集した。この成果は、現在執筆中の「奴隷解放運動と『ウォールデン』-「より高い法則」をめぐって」に結実する予定であり、すでに発表している「ソローの牢獄-19世紀アメリカにおけるリベラリズムと文学」(『言語文化論究』No.13,2001年)、「自由の攻防-奴隷解放運動とコンコード」(『英語英文学論叢』52集,2002年)とともに、16年度末刊行予定の研究叢書にまとめる予定である。 2.コンコードの文学 アメリカにおけるロマン主義文学と奴隷解放運動との関連については、特に超絶主義思想の観点から研究を進めている。エマソンやソローの超絶主義思想における人間精神の解放という命題と、奴隷解放を含めた社会改革のディスコースがどう連動しているのかを考察している。 この方面の研究成果としては、『新しい風景のアメリカ』(共著、2003年)、「ソローにおける身体の論理」(近刊)、(書評)Joel Myerson, Transcendentalism : A Reader(『英語英文学論叢』,2003年)、日本アメリカ文学会シンポジウム講師「エマソンと天文学」(2003年)などが挙げられる。
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Research Products
(2 results)