2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520188
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高橋 勤 九州大学, 大学院・言語文化研究院, 助教授 (10216731)
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Keywords | コンコード / 奴隷解放運動 / ウィリアム・ロイド・ギャリソン / ラルフ・W・エマソン / ヘンリー・D・ソロー / 超絶主義思想 / 逃亡奴隷法 / ダニエル・ウェブスター |
Research Abstract |
1.南北戦争前における奴隷解放運動 平成16年度の研究は、ペンシルヴァニア州立大学で収集した資料をもとに、「奴隷解放運動と『ウォールデン』-「より高い法則」をめぐって」(『英語英文学論叢』55集,2005年,pp.33-46)を執筆した。「地下鉄道」の組織やコンコード婦人部に関して調査できたことは有意義であったし、逃亡奴隷法の施行をめぐり、「より高い法則」(Higher Laws)という概念を基軸とした政治論争を考察できたことは大きな収穫であった。また、奴隷解放運動家のジョン・ブラウンに関して、松本昇氏(国士舘大)、小倉いずみ氏(大東文化大)らと研究会をもったことも意義深かった。さらに、研究成果として、すでに発表している「ソローの牢獄-19世紀アメリカにおけるリベラリズムと文学」(『言語文化論究』No.13,2001年)、「自由の攻防-奴隷解放運動とコンコード」(『英語英文学論叢』52集,2002年)を大幅に加筆、改稿し、研究成果報告書「南北戦争前における奴隷解放運動とコンコードの文学」にまとめることができた。 2.コンコードの文学 奴隷解放運動とロマン主義文学との関連については、特に超絶主義思想の観点から研究を進めた。 この方面の研究成果としては、「ソローにおける身体の論理」『新たなる夜明け-「ウォールデン」出版150年記念論集』,pp.128-140)、「境界の文学-『ウォールデン』論」(ミネルヴァ書房、近刊)、『自然と文学のダイアローグ-都市・田園・野生』(共編著、彩流社、2004年)、(書評)増永俊一著『アレゴリー解体』(『英語青年』2004年9月号、研究社、pp.380-381)(書評)Daniel B.Botkin, No Man's Garden : Thoreau and a New Vision for Civilization and Nature, Island Press, 2001(『ヘンリー・ソロー研究』日本ソロー学会(近刊))などが挙げられる。
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Research Products
(3 results)