2005 Fiscal Year Annual Research Report
アイルランド語で表現された媒体を用いたアイルランド文化の総合的研究
Project/Area Number |
15520195
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
梨本 邦直 法政大学, 工学部, 教授 (30340748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春木 孝子 神戸松蔭女子大学, 人間科学部, 教授 (80228668)
谷川 冬二 梅花女子大学, 文化表現学部, 教授 (50163621)
岡村 眞紀子 京都府立大学, 文学部, 教授 (80123488)
池田 寛子 広島市立大学, 国際学部, 助教授 (90336917)
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Keywords | アイルランド語の哀歌 / ケルト復興 / イェイツ / フォークロア / John Davies / ソネット / 等位接続詞 / Edmund Spenser |
Research Abstract |
○現代アイルランド女性詩人モーィラ・ヴァッカンツイーの哀歌について今年度は、特に、伝統の発展という観点から特に優れていると考える二つの哀歌の分析を中心にして、アイルランド語そのものおよび詩形式のレベル、内容の面からは先行詩人たちがうちたてた文学のテーマのレベルの二つのレベルから研究をおこなった。 ○1798年の武装蜂起に関するアイルランドの歌謡を使用言語と主題によって整理し、アイルランド語で書かれたものが非常に少ない、との結論を得た。一方で英語の作品は数多く、結果、「ケルト民族のアイルランド」という言説が、19世紀半ば以降のものであり、この状況下で、アイルランド語が民族の表象になった、との見通しを得た。 ○イギリス、テューダー・スチュワート時代のアイルランド政策の政治的・宗教的背景に関する資料をイギリスで収集、考察を進めた。その政策下でのイギリス、アイルランド両国の詩、特にエレジーの検討から、両国、両文化における近代初期の死観の解明を目指している。 ○アイルランド三大悲話の一つ、Children of Lirについて調査を進め、アイルランド語の原本をいくつか入手、その読解に努めた。さらに、現代女性アイルランド詩人ヌーラ・ニゴーナルとビディ・ジェンキンソンがこの伝説に見出した現代的な意味を明らかにするため、彼女らのアイルランド語による詩を精読した。 ○アイルランド語等位接続詞のagusについて、歴史的にその統語構造をコーパスなどを用いて調べた。この接続詞は、意味的には明らかに従属の関係にあるにもかかわらず比較的自由に用いられることが知られている。その歴史的な用法の変化、言語形態による分布を調査した。 ○Micheal O Siadhail著Learning Irishの翻訳の第三校を作り、注釈による文法解釈補足、文法用語確定を行って、さらにアイルランド語固有名詞のカタカナ表記原則などを立てた。
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Research Products
(4 results)