2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520203
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大和田 英子 早稲田大学, 国際教養学術院, 教授 (00203951)
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Keywords | アメリカ文学 / 労働 / 所有 / ハリウッド / 文化装置 / プロレタリア / 財産 / 1930年代 |
Research Abstract |
広くアメリカ文学作品における「労働(labor)」の概念と「所有(property)」の概念から派生するさまざまな文化・社会・政治状況及びその文学的表象を分析し、文学史を横断する考察を試みる。このとき、「労働(labor)」は狭義の「労働者による労働」のみならず、女性によるlaborである出産をも含み、家庭内労働、奴隷労働、肉体労働、知的労働など、ありとあらゆる労働の形態を包括するものとして捉える。また、「所有」についても、私有及び公的財産に関わる所有の諸形態、ならびに、知的所有権に代表される法的概念により明確化される「所有」を考察の対象に含有する。こうした前提条件のもとに、人種・ジェンダー・階級を異にするアメリカの作家たちが、いかに「労働」と「所有」の問題を形象化しているかを探り、労働と所有をめぐるアメリカ的哲学の立脚点を明らかにする。本年度は研究会を年に3回開催し、知識の交流をはかった。毎回重点をおくべき作品をテキストとして指定し、その分析を行う部門を設けた。 このような研究活動を通じ、アメリカ文学を見渡すと、「労働」と「所有」というふたつの概念をキーワードに、法と文学の学際的研究の観点から今まで部分的になされてきた考察とをつなぐ研究の可能性が見出されることとなり、これが今回の研究の基盤となった。「労働」を肉体的労働に限定せず、精神労働についての概念成立を視野に入れ、文化装置の生成の例として、ハリウッドで映画制作に携わった知識人の活動に注目した。
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Research Products
(2 results)