2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520206
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Research Institution | Kyoto University of Art and Design |
Principal Investigator |
勝山 久里 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (00351362)
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Keywords | イギリス・中国 / 植民地支配 / 多国籍 / ロマン主義文学 / データベース / 国際情報交換 / アジア |
Research Abstract |
1.18・19世紀イギリス帝国支配、植民地支配とロマン主義文学との関係性を解明しようとする拙者の研究の一環として、当時の航海記録や旅行記など大英帝国支配や科学的探求に関する資料収集を行った。またそれらの記録や旅行記に関連する文学テキストの分析を行った。過去3年間に渡って資料収集にあたってきたイギリス帝国支配と植民地支配に関する基礎資料の補完を中心に進めた。京都近辺の大学図書館及びロンドン大学のSOAS (School of Oriental and African Studies)の電子資料を利用して資料収集を行った。 2.1770年から1830年の間に書かれた批評書、新聞記事、この間になされた講演の中で東アジアにおけるイギリス帝国支配に関する資料とロマン主義文学との関係性を考察し、さらにそれぞれの事象に関わる被帝国支配者側の記録を分析することを試みた。東アジアとイギリス帝国支配の関係を紐解くための参考資料は希少であるため、インターライブラリー・サービスを使い、日本国内の国公立大学及び私立大学図書館から可能な限りの資料収集に従事した。 3.東インド会社の中国広東地方との交易に注目し、とりわけ茶とアヘン貿易を巡る政治的、歴史的意義をS.T.ColeridgeとThomas De Quinceyの文学テキスト及び批評を中心に探求し、その分析を試みた。 4.ロマン主義の時代がイギリス帝国支配、植民地支配の質が劇的に変容する時期と重なっていることに注目し、東アジア地域のみならず広域に広がるイスラム世界におけるイギリス帝国支配の展開とロマン主義テキストとの関連、影響関係を分析するための資料収集を行った。今後はこのテーマをさらに深めていくための資料収集を続けながら、手に入れられた資料を中心にデータベースを作成することに取り組む予定である。
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