2003 Fiscal Year Annual Research Report
二十世紀末以降アメリカ舞台芸術の理論と実践における文化ポリティクスとグローバル化
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15520210
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Research Institution | Toyoko Gakuen Women's College |
Principal Investigator |
戸谷 陽子 東横学園女子短期大学, 言語コミュニケーション学科, 助教授 (30261093)
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Keywords | 文化政策 / インターカルチュラリズム / グローバリゼーション / ポリティクス / サイボーグ / 文化研究 / アメリカ演劇 |
Research Abstract |
本研究の目的は1980年代後半以降新たに展開した文化ポリティクスの諸相を理論の考察と実践の具体的な検証、および冷戦後の二十世紀末に顕在化したグローバリゼーションの問題と文化・表象芸術の関わりという文脈において、その固有の問題と相互の関わり合いを考察し,二十世紀の歴史的文脈の中に位置づけ、二十一世紀の展開を標榜するための学術的指標を提示することにある。 この目的達成のため、演劇・舞台芸術に加え、過去10年間に加速した政治経済的・文化的基盤と文化システムの変化について論じる基本的な研究書、学術雑誌の収集・通読し理論化する作業を続けたが、この作業の副次的成果として、観客との共犯により構築されるブロードウェィ演劇の概念を市場経済論理、歴史的・文化研究的視点において検証し、「オニール劇上演の現在と観客受容」と題する論文として『英語青年』に発表した。また、この作業め過程でテクノロジーの影響を理論に反映させるべき必要を痛感し、テクノロジーとアートについての考察を深め、これまでの研究成果と併せて「女神からサイボーグへ--20世紀アメリカのパフォーマンス・アートにおける女性の身体表象--」と題する論文を所属機関の女性文化研究所紀要に論文として発表した。 8月にドイツ・ハンブルク市において開催された国際演劇祭(ラオコン国際演劇祭)のシンポジウムにディスカッサントとして招聘されて参加したことから、合衆国以外の地域での演劇におけるグローバリゼーションの問題、とくに欧州およびアラブ圏の演劇におけるインターカルチュラリズムとハイブリディティの問題について検証し、考察を深めることができ、また今後の本研究に関わる情報ソースとのコンタクトを形成することもできた。
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Research Products
(2 results)