2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520223
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 文治 大阪大学, 文学研究科, 教授 (00154857)
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Keywords | 中国伝統演劇 / 戯曲文学 / 白兎記 / 劉知遠 / 李三娘 / 白話 / 成化本 / 四大南戯 |
Research Abstract |
前年度までに成化本『白兎記』第9出途中までの訳注稿を完成させた。本年度はその続きから第18出途中までの訳注稿を完成させた。以下に、発表予定の訳注稿の一部を示す。 「「喫糧」は、ここでは、官府から糧食をもらう代わりに兵士となること。『劉知遠諸宮調』第二【高平調】【賀新郎】いう「太原府文面做射糧」、『金史』巻四二「儀衛志」(下)「百官儀從」の條にいう「凡そ内外の官、親王自り以下は、……三に本破と曰い、……四に公使と曰い、……五に從己人力と曰い、……。五等は皆射糧軍を以て充てる。其の軍は物力を驗して以て攻討を事とするに非ず。特に民の年十七以上、三十以下の魁偉壮健なる者を招募し、収して刺し、資糧を以て之に給す。故に射糧と曰う」の「射糧」が轉じたものであろう。また「健兒」は、兵卒、の意。『大唐六典』巻五「尚書兵部」に「天下の諸軍に健兒有り」、杜甫「哀王孫」詩に「朔方の健兒 好身手、昔は何ぞ勇鋭にして今は何ぞ愚なる」とある。ここでは、「喫糧名字」即ち軍隊における呼び名として「健兒」の語が用いられており、同樣の例としては、『奪衣襖車』第一折の狄青のセリフに「今在鞏勝營中、做一箇軍健漢、人口順、都叫我做小健兒狄青」とある」。
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Research Products
(1 results)