2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520258
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉田 光演 広島大学, 総合科学部, 教授 (90182790)
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Keywords | 名詞句 / 指示 / 統語構造 / 決定詞 / 数量表現 / 意味論 / 言語間パラメータ |
Research Abstract |
名詞句表現の中で可算・不可算の区別,単数・複数の区別,総称・不定表現の区別に注目して先行研究を収集・検討し,英語・ドイツ語・日本語などの言語の名詞表現の統語構造・意味特性を分析した。とくに日本語について形式意味論の枠組みを基礎にして,日本語の名詞に付加される複数形態「たち」の意味を調査・分析した。「たち」は連想的にも使える点で純粋な複数よりも意味が広いが,純粋な複数個体も指示しうることを意味論的に明らかにした。この成果の一端は以下の口頭発表(共著)で発表した:Masashi Hashimoto & Mitsunobu Yoshida(2003):"Zur Semantik der pluralischen Nominalphrase im Japanischen"(Linguisten-Seminar Kyoto,2003,8月.日本独文学会語学ゼミナール。同論文は日本独文学会国際誌Neue Beitrage zur Germanistikに投稿の上,採用が決定されている)。また,キェルキア(1998)が提起した「名辞写像パラメータ」による冠詞の有無との関連(英語対日本語タイプ)の言語類型を検討し,その問題点を明らかにした。即ち,[+項,-述語]タイプとされる日本語では決定詞(冠詞)も複数形態の存在も予測されないが,実際には複数形「たち」が存在し,上記の言語間パラメータの修正が必要であることを示した。この成果は部分的に論文「冠詞の意味論」(月刊『言語』2003年10月号)において発表した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 吉田 光演: "冠詞の意味論"月刊『言語』. 32/10. 58-65 (2003)
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[Publications] Mitsunobu Yoshida: "Externe Argumente und nicht-nominativische Subjekte im Deutschen und Japanischen"Neute Beitrage zur Germanistik. 2/02. 76-90 (2003)
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[Publications] 吉田光演, 岡本順治(編著): "ドイツ語の統語パラメタを求めて-多様性を生み出す原理-"日本独文学会(日本独文学会研究叢書19). 78 (2003)