2005 Fiscal Year Annual Research Report
中国語のコーパス構築および近世中国語テキストの計量言語学的研究
Project/Area Number |
15520269
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
竹越 孝 愛知県立大学, 外国語学部, 助教授 (10295230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 益子 新潟大学, 国際センター, 助教授 (10284621)
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Keywords | 老乞大 / 朴通事 / 児女英雄伝 / 老朴集覧 / 翻訳老乞大・朴通事 / 象院題語 / 西北方言 / 青海共和方言 |
Research Abstract |
○『老乞大』 本年度の実施計画は、昨年度に引き続き、『旧本老乞大』(14世紀頃)、『翻訳老乞大』(1517年以前)、『老乞大新釈』(1761年)、『重刊老乞大』(1795年)を対照させたプレーンテキストの修訂・増補作業と、各テキストに対するタグ付け作業を行うことであった。 研究代表者竹越孝は、これまでに作成したプレーンテキストを用いて介詞"着"の機能の変遷を考察した論文をまとめるとともに、修訂・増補作業の一環として、『翻訳老乞大』と同系統に属する漢字本『老乞大』(刊年不明)、『老乞大諺解』(1670年)平安監営重刊本『老乞大諺解』(1745年)の比較対照を行って、その結果を論文にまとめた。 その過程で、我々の研究計画を遂行するにあたっては、文法情報タグを付与すること以上に、こうした地道な文献学的研究こそ不可欠であるという認識に至った。よって、来年度以降にあっては対照可能なテキストの数を増やし、より信頼の置けるプレーンテキストを作成するべく、現存版本の調査とテキスト相互の校勘から新たな事実を引き出していくことが第一の課題となる。 また、竹越は『翻訳老乞大・朴通事』と同編者の手になる『老朴集覽』(1517年以前)の編纂過程や、同時期の朝鮮資料『象院題語』(1670年)の言語に対する研究を行うとともに、朝鮮資料と極めて類似した言語特徴を有する中国語西北方言(青海省共和方言)の臨地調査を行い、その音韻体系に関する報告をまとめた。 ○『児女英雄伝』 本年度の実施計画は、昨年度にひきつづき光緒四年(1878)木活字本、光緒六年(1780)木活字本および新発見の鈔本を加えた各本の校勘を進めることであった。研究分担者藤田益子は、その過程で『児女英雄伝』に見られる"把"構文の考察を行い、その結果を論文にまとめた。
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Research Products
(6 results)