2003 Fiscal Year Annual Research Report
ニュージーランドの「第二言語教育」に関する言語社会学的研究
Project/Area Number |
15520280
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Research Institution | Chukyo Women's Junior College |
Principal Investigator |
岡戸 浩子 中京女子大学短期大学部, 生活科学科, 助教授 (70352896)
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Keywords | ニュージーランド / 言語政策 / 言語教育政策 / 第二言語 / マオリ語 / 言語意識 / 言語社会学 / 多言語社会 |
Research Abstract |
これまでヨーロッパ系の人々が圧倒的な割合を占めてきたニュージーランドでは、近年、先住民マオリ系、太平洋島嶼系、アジア系住民の増加が目立ってきており、国内の多文化、多言語化傾向が徐々に進行しつつある。そのような状況下で、この国で推進されている言語政策および言語教育政策と大きなかかわりを持つ学校教育における「第二言語教育」について社会言語学(狭義での言語社会学)的視点から現状を考察し、政策の推進における問題点および阻害要因を明らかにすることを本研究の目的とする。 平成15年度の本研究の目的は、これまでの研究成果を踏まえながら、さらに次年度に計画している大規模なアンケート調査の実施への検討のための情報収集、文献研究、そして事前の現地調査を行うことであった。その結果、木きく第一に、前ニュージーランドの派遣専門家との情報交換により、1998年に導入された新カリキュラムに基づいて2002年にスタートしたNCEA(National Certificate of Educational Achievement)という新しい全国共通の資格制度が、学校の教育現場における保護者・生徒の「第二言語教育」に対する意識に少なからず影響を及ぼしていることが明らかになった。 第二に、平成15年10月20日〜25日までニュージーランドのウェリントンにおいて資料・文献を収集し、また、ニュージーランド教育省、現ニュージーランド派遣専門家(日本語アドバイザー)、Massey大学の研究者に対してインタビュー調査を行った。教育省の第二言語教育への取り組み姿勢の現状や大学研究者による第二言語に関する移民、国際ビジネス、貿易、観光業の視点からの研究結果の報告等、きわめて貴重な資料・情報を入手することができた。今回のニュージーランドで行った調査結果をとり入れ、本年度中に「ニュージーランドの第二言語教育への意識に関する一考察」と題した論文としてまとめ、掲載されるかたちに至った。 そして、本年度に実施した上記の研究の結果に基づき、次年度に計画しているアンケート調査実施に向けて、本年度末までに、統計分析を行うために本年度購入した統計ソフトSPSS, Amosによる因子分析や共分散構造分析の手法を考慮に入れた最終的な調査項目の設定に着手することができた。
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Research Products
(1 results)