2003 Fiscal Year Annual Research Report
石川啄木「ローマ字日記」のローマ字表記法に関する調査研究
Project/Area Number |
15520282
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
菊地 悟 岩手大学, 教育学部, 助教授 (30204829)
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Keywords | 石川啄木 / ローマ字日記 / ローマ字表記 / 国音羅馬字法略解 / 独立発音符号 |
Research Abstract |
本研究の目的は、石川啄木「ローマ字日記」におけるローマ字表記の実態を明らかにすること、ならびに「日記」中に挿入された「国音羅馬字法略解」、なかんずくその注に見られる「独立発音符号」が、啄木の独創によるものか否かを考察すること、である。 この目的を達成するため、15年度は2つのことを行った。 (1)函館における臨地調査 「ローマ字日記」の啄木自筆原本は市立函館図書館が保管しているので、2度に渡り現地に赴いて調査を行った。まずは9月、モノクロのコピーを閲覧し、岩波文庫版の翻刻文と比較対照して相違箇所をチェックした。複写版には欠落部分があったので、研究上の必要による閲覧の依頼を文書で行ったところ、函館市文学館の所蔵するカラーコピーの閲覧を許されたので、12月、再び函館に赴き、欠落部分の調査と、前回調査の再チェックを行った。 あわせて「独立発音符号」に関する本文の複写物使用に関する依頼も行った。 (2)ローマ字史に関する文献収集 「国音羅馬字法略解」および「独立発音符号」のローマ字史上での意義を考察するため、明治期以降のローマ字あるいは国字問題に関する文献の収集を行った。 新本・古書での購入をはじめ、国立国会図書館へ赴いての閲覧および関係箇所の複写を行った。
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