2004 Fiscal Year Annual Research Report
キリシタン文献国字本総合データベースに基づく近世初期日本語用字規範の計量的研究
Project/Area Number |
15520284
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
豊島 正之 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (10180192)
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Keywords | キリシタン文献 / 組版様式 / 古活字版 / 異体字 / 用字規範 / 製版規範 / 面付け(imposition) / 漢字整理 |
Research Abstract |
1)「キリシタン版」原本調査による組版様式調査 カサナテンセ図書館(ローマ)蔵の「さるばとるむんぢ」(1598)の原本を子細に調査した結果、本書が2丁(4ページ)を一組版面に組み付けて一気に印刷する「面付け」(imposition)による印刷を行っている事を発見した。「面付け」が和書について発見されたのは初めての事である。 2)「面付け」(imposition)の研究、及び古活字版に於ける他例の探索 「面付け」は、洋書版本では当然の如くに行われているが、版本を遡る洋書写本にも見られ、又キリシタン版写本にも見られる事から、和書古活字版の他例を探索した処、「解紛記」、慶長十二年古活字本下巻(国会図書館)がそれである可能性を見出した。更に他例を探索中であるが、「面付け」技術が古活字本にも見出される事は、キリシタン版の製版技術・組版様式が古活字版にも受け継がれた事の強い証拠であり、キリシタン版と古活字版の連続を裏付ける強い事実となるものである。 3)国際ワークショップでの発表 国際ワークショップ「キリシタン版を印刷から考える」(平成16年7月11日)にて、主として用字法・組版様式からのキリシタン版と古活字版との連続性について研究発表・討論を行い、有益な知見を得た。ワークショップの成果は、別途出版を準備中である。 4)「古活字版」データを含めたデータベースの拡張 既に運用中のキリシタン文献国字本データベースに、上記「解紛記」及び「大鏡」など、主要な調査対象の「古活字版」データベースを試験的に加えて拡張を進めた。
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