2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本語の談話における結束性の研究-『文藝春秋』巻頭随筆を対象として-
Project/Area Number |
15520296
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Research Institution | National University Corporation, Ochanomizu University |
Principal Investigator |
高崎 みどり お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (30137822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新屋 映子 桜美林大学, 文学部, 教授 (30235783)
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Keywords | 随筆 / 談話 / テクスト / 結束性 / 語彙 / 文末表現 / 指示語 / ジャンル特性 |
Research Abstract |
1、随筆500編のエクセルを使用したデータベース化-検索・分類が可能なように工夫しCD-ROMに収めた。これはいずれ公開し、いろいろな研究者に提供可能となる。 2、語彙的結束性についての分析-各随筆につき、語彙の反復、語彙同士のコロケーションを見た。その結果の一部は、高崎が論文(後の「研究発表」欄参照)にまとめた。語彙同士がいろいろな繋がり方で結束し、テクストを意味付けるさまざまな話題の材料として機能することが確認できた。 3、文法的結束性についての分析-文末のモダリティ部分を見た。その結果の一部は口頭発表(「日本語随筆テクストにおける文末表現の特徴」第3回日本語・日本語教育学会:イタリア日本語教育協会主催;ローマ大学)にまとめた。動詞を中心として複合辞のついた文末が多種多様な様相を見せ、それは随筆のジャンル特性に関わる広がりであることを確認できた。しかしながら、文末と結束性との関わりは、文頭に位置する接続詞と比較して、明確な関係性は見出せない、という結論となった。 4、指示語についての分析-コ・ソ・アの出現に関して数量的にソ系列が多い(5716例)もののコ系列も少なくない(4242例)という結果から、(1)コ系列を文脈指示的に使用する場合が多いという考察(2)コ系列を文章の中で現場指示的に使用する例が少なくないという考察、が得られた。ア系列も少数(430例)ながらあって、(2)とあわせると、話し言葉的な文体の存在も示唆され、3の文末モダリティの多様さも合わせて「場」の存在、すなわち話し言葉的な表現に傾く、随筆のジャンル特性を指摘しうる。
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Research Products
(2 results)