2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520304
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
仁科 弘之 埼玉大学, 教養学部, 教授 (20125777)
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Keywords | イベント意味論 / 回転式 / 語彙的意味論 / 使役構造 / 認知意味論 |
Research Abstract |
プロジェクト2年目に当たる本年は、昨年の研究でえられた以下の成果を認知科学的な観点から検証した。 ・(成果):動作の例を手話に取り、様相論理学をもちいてその動作の記述を継時的に行う意味解釈装置を提案した。骨格を略述した構造をもとに、前回プロジェクトでえられたアルゴリズムである「回転式」で記述したのち、この手話動作の回転式集合をモデルとして見立てて、その様相存在式を評価した。 本年は、上記の結果の認知的な意味合いを生成意味論、語彙的意味論、イベント論理学の観点から詳細に検証した様相解釈のさいにもちいる様相式に含まれる「使役構造」が実はMOVE(動く)を使役の対象としており、この運動使役の推移関係が身体の運動表現を形成する解釈エンジンであることを理論的に示した。この結果は9月オーストラリアで開催された言語・認知国際会議で報告した。さらに関連研究を12月に開催された東北大学COEプロジェクト「言語認知総合科学戦略研究教育拠点」の第19回公開講座において『文法の身体化-動作を様相論理で記述する』の題目で発表し、高い評価を受けた。 次年度の研究においては、これらの成果をもとに、動作の基本原理を式化しここからこれまでの考察が自然に導かれる体系を考案してゆきたい。
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Research Products
(4 results)