2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520304
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
仁科 弘之 埼玉大学, 教養学部, 教授 (20125777)
|
Keywords | 概念構造 / 空間構造 / 語彙意味論 / 歩行模型 / モデル意味論 / 様相存在式 |
Research Abstract |
本研究は人の認知様式を意味理解の側面から究明することを目的としている。身体動作をフレーム上の各関節の回転状態を記述する表示(回転式)で記述し、それらを論理モデルとみたてることにより、このモデル上で存在式の様相性を評価する。評価により得られた様相存在式群を、当該動作動詞の指示物から抽出された意味情報、つまり一種の意味表示であるとみなす仮説を構築している。 本年度は、(1)存在移動命題の認知的基盤を語彙意味論からさぐり、本枠組みが認知(言語)理論的に妥当であることを示した。語彙意味論の枠組みにより特定の運動動詞の意味を記述する際には、その概念構造(CS)と空間構造(SS)に空間上の軌跡の記述を必要とする。そこに本枠組みの評価式を当てはめることを試み、様相評価式がその概念構造(SS)の代替を果たすことを指摘し、それらの認知的な整合性を示した。 さらに、(2)動作の連続的記述を関節間の統合的な連続的動作で記述するための計算機実装を行うために、その基礎研究を開始した。これまで動作データを静的な図版で提示してきたが、データを連続的に入手する方法も調査を開始した。連続的動作データを生成する手段としてアニメーションと実体模型の間でいずれがより妥当であるか、その得失を比較調査した。調査を開始した当初に、コンピュータ制御の歩行模型が入手できたので、これによる実験準備を行っている。現在は、モデルの組み立てに着手した段階である。 ハードウエアの完成後に制御系のソフトウエアの解析を行い、本枠組みへの入力としての利用可能性を実験によって検証する予定である。
|
Research Products
(2 results)