2003 Fiscal Year Annual Research Report
近代口語英語における「呼びかけ語」の研究--歴史語用論的アプローチ
Project/Area Number |
15520320
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
椎名 美智 法政大学, 文学部, 教授 (20153405)
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Keywords | vocative / corpus / historical pragmatics / discourse marker / illocutionary force / politeness / markedness / default form |
Research Abstract |
平成15年度の研究課題は、標識付きコーパス(アノテーティッド・コーパス)の完成と量的分析に取り組むことであった。本研究ではコーパス(電子テキストを集合)を分析のデータとして使うので、まず、そのコーパスの編集、データづくりが研究の重要な第一歩である。アノテーションと呼ばれる標識をテキストに書き加える作業が必要なのだが、これはほぼ完成した。また、そのアノテーションをつかって、量的分析も行った。話者・聞き手のジェンダー、年齢、階級、役割が、「呼びかけ語」の選択にどう関係するか、一般的な使用パターン・法則を探るとともに、その法則に反する例を取り出した。後者は次年度に行う予定の質的分析の足がかりとなるデータである。具体的には、おのおのの「呼びかけ語」の頻度とコノテーション、「呼びかけ語」の文内での位置と語用諭的機能について、2本の論文を仕上げた。とくに「呼びかけと」と特定のディスコース・マーカーとの併用と、それによるさまざまな語用論的役割については、いくつか新しい発見があった。書き上げた論文については、共同研究者であるDrカルペパーおよびほかの歴史言語学者とイギリスにて3月に検討会をする予定である。研究発表の場としては、国際学会での口頭発表を考えていたが、国際的な政治状況の悪化、また開催が科研費の文給の前だったため、見合わせた。その代わりに、書き上げた諭文は、来年度、少なくともふたつの国際学会で発表する予定である。また、関連したトピックで、来年度の英語学会でシンポジウムを行う予定である。
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