2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520324
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Research Institution | Shigakukan University |
Principal Investigator |
中安 美奈子 志學館大学, 人間関係学部, 助教授 (80217926)
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Keywords | 初期近代英語 / 法助動詞 / 歴史語用論 / モダリティ |
Research Abstract |
本研究の目的は、初期近代英語における法助動詞を言語使用者に着目した語用論的な視点から記述・分析することである。法助動詞の歴史的な研究は、言語行為等のミクロ語用論的なレベルに留まっており、会話や談話といったマクロ語用論的なレベルにおける検討はほとんど行われていない。本年度は、昨年度に行った基礎資料となる分析をもとに、マクロ語用論的なレベルにおける分析を行った。法助動詞WILL/WOULD及びSHALL/SHOULD並びに縮約形'LLを含めたシェイクスピア劇のデータベースを使用し、特に近称形であるWILL、SHALL、'LLを中心に分析を行った。 まず、これまで法助動詞を含む発話のみを分析して得られた言語行為に関する知見を、談話レベルにおける言語事象として再検討し、マクロ語用論的なレベルにおける分析の可能性を探った。次に、ポライトネス・ストラテジーと法助動詞との関係の分析を行い、特に近称形がポジティブ・ポライトネス・ストラテジーと緊密な関係を持つことが示された。 さらに、会話分析及び談話分析が扱う問題と法助動詞との関係を検討した。隣接ペアにおける対話者の相互作用、談話標識と法助動詞との関係を分析した。そして、単なるバリエーションの問題とされ、これまでの歴史的な研究では解明されてこなかった談話における法助動詞の交代の説明を試みた。対話者の発話がトリガーとなり何らかの反応を示す、あるいは、トリガーがなくとも、直前に指示された基準時の直後に新たな基準時をたてる等の談話機能が観察された。語彙的な意味を残しつつ、モダリティの表示に加え、ほぼテンスと同じと言って差し支えない意味機能、さらに新たな談話機能を獲得している法助動詞の発達の段階が明らかになった。
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Research Products
(1 results)