2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本に定住するインドシナ難民子弟のアイデンティティの推移と母語保持との関連
Project/Area Number |
15520325
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
一二三 朋子 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 講師 (30316872)
|
Keywords | インドシナ難民 / アイデンティティ / 母語 / 母文化 / エスニシティ / エスニック・アイデンティティ / 定住者 |
Research Abstract |
今年度は、主に資料の収集・整理及びアンケートの実施・分析を行った。 資料に関してはインドシナ難民たちの日本での生活状況や教育環境、インドシナ難民3国各国の親善団体の活動状況、日本での生活に関する意見や感想などについて、外部機関の調査報告書などの印刷物を収集した。日本がインドシナ難民を受け入れて20年余りの間に、インドシナ難民の中にも年齢差が広がり、世代による格差が広がってきている。そうした世代差・年齢差が、日本での適応やアイデンティティ、母語・母文化に与える影響について資料を分析中である。 また、前年度のインタビューなどに基づきアンケート原案を作成した。本調査の前に、別途予備調査を行った。予備調査の対象者はインドシナ難民ではないが、原案のままでは質問の量が多く、アンケート調査に慣れていないインドシナの人たちには回答困難が予想されたからである。アンケートに回答する時間を短縮するために、できる限り質問項目の削減を行って完成したアンケートを、インドシナ3国の言語に翻訳し、神奈川県を中心に、全国の日本語ボランティアグループに調査の協力を打診した。協力に同意してくれた団体には随時郵送したり、調査者本人が出向いて、アンケートの配布・回収を行った。全国の日本語ボランティアグループの中でも、インドシナ難民が学習しているグループは少なく、配布・回収は難航した。最終的に得られたアンケートは100名強である。また、回答に関して記入のないものが少なからずあり、分析に支障を来たしているのが現状である。
|