2004 Fiscal Year Annual Research Report
正統的周辺参加の実践の場としてのオンライン英語クローズテストの開発とその効果
Project/Area Number |
15520380
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
吉田 信介 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (50230743)
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Keywords | 正統的周辺参加理論 / クローズテスト / 掲示板 / CGI / ストラテジー / オンライン |
Research Abstract |
本研究の目的は、コンピュータのCGI機能を活用して、インタラクティブ性を備えたオンライン・英語クローズテスト(テキストからn語ごとの単語を空白にして、それらを埋めさせるもの)のwebページを開発し、これと併用するグループによるオンライン掲示板(または、チャット)機能を用いて、外国語としての日本人英語学習者が英語クローズテストの解答を行う際に使用する方略を長期的に記録・分析することにある。 16年度は、15年度に完成したシステムを授業で実践し、データ解析と使用効果を検証した。そこでは、読み易さが2種類の文章A(易しい),B(難しい)にそれぞれ5箇所ずつ空所(5点満点)を設けたクローズテストを用いて、5グループが別々にディスカッションしながら、解答できるようにした。その結果、全体の傾向としては、文章A(易しい)、B(難しい)の両者とも、相談前と相談後で、それぞれ121%,123%と得点が伸びていること、上位群では、文章A、Bともに115%とコンスタントに伸びているのに対して、下位群では、文章A(易しい)で123%と大幅に伸びているが、B(難しい)では逆に92%と落ちていることが判明した。このことから、第一に、掲示板によるディスカッションが全体的に有効に作用し、相談前よりも相談後のクローズの得点が上がったこと、第二に、既製のクローズテストの得点から分けた上下位群での傾向ではあるが、上位群では文章の難易度にかかわりなく、相談前後で15%程度の正解率向上がみられることから、正解を導くのに有効なストラテジーを多少身につけたこと、第三に、下位群では、文章が易しいと、むしろ上位群より正解率の伸び率が高いが、難しい文章では逆に正解率が落ちる傾向にあることから、易しいもので練習を積み重ねて有効なストラテジーを身につけてから、序々に文章の難易度を高める必要があることが示唆された。
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Research Products
(1 results)