2003 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける戦争記憶の保存と表象-中国・韓国・沖縄・日本における戦争博物館・戦争遺跡の調査研究
Project/Area Number |
15520386
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
君塚 仁彦 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (00242230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 健一 福岡県立大学, 人間社会学部, 助教授 (00301812)
石 純姫 苫小牧駒澤大学, 国際文化学部, 講師 (60337102)
王 智新 宮崎公立大学, 人文学部, 教授 (10265035)
大森 直樹 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (50251567)
橋本 栄一 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (30237929)
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Keywords | 東アジア / 戦争記憶 / 博物館 / 戦争遺跡 / 保存と表象 / 中国 / 韓国 / 沖縄 |
Research Abstract |
2003年度は本研究の初年度にあたるが、2回の研究会(国内)を開催し、2003年度調査研究計画に基づき、2回の海外実地調査、2回の国内実地調査、1回の海外研究報告・特別講演会を実施した。 第1回研究会は2003年6月東京で開催し、2003年度の調査・研究の年次計画の策定、研究分担者からの研究報告・相互討議を実施した。併せて日本における戦争記憶の保存と表象の一事例として、近年大幅にリニューアルされた靖国神社「遊就館」常設展示の調査を実施し検討を行った。 第1回海外調査は、2003年8月韓国・ソウル特別市・全羅南道小鹿島で実施した。ソウル特別市では日本植民地時代の監獄が博物館化されている「西大門歴史博物館」における戦争記憶と保存・表象のあり方を調査した。全羅南道小鹿島では、植民地時代にハンセン病患者の強制隔離が実施された国立小鹿島病院およびハンセン病療養施設の調査、「小鹿島ハンセン病資料館」の展示調査等を実施した。 第2回海外調査は、2003年12月中国・重慶市において実施した。重慶では、日本軍による重慶爆撃の被害を記憶・表象するために整備された「重慶爆撃事件記念遺跡」を調査し、西南師範大学で開催された重慶爆撃65周年記念国際シンポジウムでは本研究グループ全員が研究報告を行った。また、戦争記憶に関して重要な哲学的研究を発表し注目されている高橋哲也氏(東京大学大学院)による記念講演を実施した。 第2回研究会および国内調査は、宮崎県宮崎市・宮崎公立大学において2004年1月に実施した。第2回研究会を開催し、宮崎市平和台公園・八紘一宇の塔(平和の塔)などを調査した。 なお本研究の研究協力者として、黒尾和久氏(東京都あきる野市前原遺跡調査会・考古学)、許寿童氏(一橋大学大学院・教育史)、又吉盛清氏(沖縄大学、沖縄・台湾近現代史)に加わっていただき、特別講演者として高橋哲哉氏(東京大学・哲学)をお願いした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 君塚 仁彦: "東北アジアの戦争博物館が語りかけるもの"部落解放. 527号. 90-97 (2004)
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[Publications] 君塚 仁彦: "二一世紀の博物館と人権教育"解放教育. 427号. 9-13 (2003)
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[Publications] 大森 直樹: "重慶における歴史認識共有化への試み-支配・被害・抵抗を軸として-"新日本文学. 648号. 80-85 (2004)