2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520389
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岡本 公一 早稲田大学, 国際教養学術院, 教授 (60288024)
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Keywords | 日本近代史 / 植民地統治 / 台湾 / 朝鮮 / フィリピン / アメリカ / コロニアリズム |
Research Abstract |
昨年度に続き、本年度もコロニアリズム・ポストコロニアリズムに関し、アメリカの学会において様々の議論がなされている。また日本も、Armitageの『帝国の誕生』が翻訳・出版されるなど、アメリカの動向が紹介されている。そこで、本年度もコロニアリズム、ポストコロニアリズム一般について文献収集を行うとともに、フィリピンに関しては、20世紀初頭の議論を探るため、当時の文献の収集を行った。 また同時に、昨年収集したフィリピン総督府の職員録をもとに、組織図を作成し、1930年前後に至るその変遷を跡づけた。また、統治機構の中心となる内務省と警察機構については、その人員構成を分析した。特にアメリカ本土とフィリピン現地の人々との構成比に注目し、アメリカの統治状況の推移を知るデータを得た。朝鮮総督府については、既にこの点に関しては研究が存在するので、今後は比較の視点からデータを解析したい。 職員録を含め、フィリピン総督府の出版物に関しては、アメリカ議会図書館や公文書館に極めて限られた文献しか発見できなかった。そこで、ボストン・カレッジのSeraphim教授の協力を得て、全米の大学、研究機関における資料の所蔵調査を行った。 自身も2006年2月21日から3月3日まで、ボストン、ニューヨーク、ワシントンに出張した。ボストン・カッレジで、インター・ライブラリーローンで取り寄せたマイクロフィルムを確認。ニューヨークではコロンビア大学、公立図書館で資料を渉猟。特に後者では、一部資料が目録化されていないことを発見し、司書に調査を依頼した。ワシントンにおいても、再度議会図書館や公文書館において資料の確認を行った。 来年度は本研究に対する科学研究費が最終年であり、まとめの年である一方、再来年度から在外研究の機会を与えられ研究が継続できることとなったため、その準備の年と位置付け、研究を行いたい。
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