2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520405
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
有馬 学 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (80108612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一ノ瀬 俊也 国立歴史民俗博物館, 助手 (80311132)
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Keywords | 日本陸海軍 / 上原勇作 / 軍事援護 / 在郷軍人会 / 軍事メディア / 徴兵制 |
Research Abstract |
戦前の日本において軍隊(陸海軍)は、一般の国民にとって、徴兵制という制度を媒介にさまざまな側面において国民の日常生活を構成する重要な要素の一つであった。平時の社会を構成する要素、すなわち社会的存在としての軍隊という視点に立ってみると、軍隊の社会的意味は国家と社会もしくは軍隊と社会の双方向的な働きかけによって成立していたと想定される。本研究においては、そうした軍隊と社会の相互の働きかけとして、軍事に関わるさまざまな軍事援護、後援、啓蒙活動に着目し、それらを研究する方法として、軍事メディア研究という研究領域を設定、その一環として、雑誌というメディアを中心に、社会的存在としての軍隊を明らかにすることを目指した。 具体的には、都城市立図書館所蔵の上原勇作文庫に所蔵される雑誌の調査を行い、軍事関係雑誌の検出を行った。上原勇作は周知のように陸軍内薩派の巨頭であるが、出身地の都城に多くの蔵書を寄贈しており、それは、全国的にも稀な軍事関係の文献のコレクションとなっている。本研究においては、同文庫における軍事関係雑誌の目録を作成すると共に、その中でも重要と思われる雑誌の記事索引データベースを作成した。 今回提出する報告書においては、以下の雑誌の総目次を掲載している。 『愛国』、『皆兵』、『軍事』、『軍事彙報』、『軍事と技術』、『軍人世界』、『訓練』、『後援』、『自衛』、『士友』、『戦友』、『高千穂』、『中堅』、『文武』、『平和の礎』、『奉公』、『我が家』 これらの雑誌はいずれも帝国在郷軍人会やその地方支部機関誌、帝国軍人後援会の機関誌、民間の軍人後援団体の雑誌、また陸海軍のさまざまな機関が発行した軍事啓蒙雑誌であり、本研究が意図する軍隊と社会の交渉を研究する上で、きわめて利用価値の高いデータベースになると考えられる。
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Research Products
(4 results)