2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520415
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
若松 正志 京都産業大学, 文化学部, 助教授 (20230922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加茂 正典 皇學館大学, 神道研究所, 助教授 (10268055)
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Keywords | 吉田神社 / 吉田神道(唯一神道・卜部神道) / 鈴鹿家 / 大嘗祭 / 新嘗祭 / 朝廷祭祀 / 神社支配(神職支配) / 江戸下向 |
Research Abstract |
本研究は、江戸時代に「神祇管領長上」として全国の神社・神職を支配した吉田神社において、その実務を担当し、また大嘗祭・新嘗祭など朝廷祭祀にも直接関与した、鈴鹿家について、現在ご当主のもとに伝来している資料(以下、鈴鹿家文書とする。文書以外に、絵図・モノもある)の整理・目録化を行い、内容を分析・検討することにより、鈴鹿家文書の史料的位置、吉田神社・鈴鹿家が果たした役割を明らかにすることを目的としている。 本年度、研究代表者の若松は、同家所蔵・未整理の年頭江戸下りの儀関係史料約二千点について、関西の若手研究者・大学院生の協力を得、整理を進めた。一点ごとに内容を確認しつつ、中性紙封筒に入れたが、虫喰の多いもの、難解な書状が多く、作業は難航している。それでも、史料の全体像は把握でき、鈴鹿家が江戸でもったネットワークなどが具体的にわかりつつある。また鈴鹿家文書の伝来について、愛媛大学附属図書館鈴鹿文庫・宮内庁書陵部などで出張調査を行った。本年度は中間報告的なものを書くにとどまったが、次年度以降、さらに史料の整理・目録化を進め、明治大学刑事博物館・大和文華館などでも調査を行い、成果をまとめたい。 一方、研究分担者の加茂は、岡田芳幸氏の協力を得、大嘗祭・新嘗祭関係資料について、一点ごとの調書作成(法量・形状・内容確認)とデジタルカメラによる撮影を実施し、全体総量の内七割について基礎作業を終え、中性紙封筒に保管・整理した。デジタルデータはパソコンに保存した。また、天理大学附属図書館吉田文庫、京都大学附属図書館などに出張して関連資料を調査し、鈴鹿家所蔵大嘗会資料のなかでも白眉の一品「貞享四年〔丁卯〕十一月十六日〔辛卯〕大嘗会 悠紀殿御手水具〔并〕神膳等儲居案図」(巻子装、彩色)について、注記・奥書などの考証を行い、同絵図の作成・書写・伝来の経緯と資料的価値を明らかにする論文を執筆した。
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