2003 Fiscal Year Annual Research Report
外務省記録にみる近代日中関係と匪賊に関する総合的研究
Project/Area Number |
15520420
|
Research Institution | Kokugakuin Tochigi Junior College |
Principal Investigator |
田中 正弘 國學院大學栃木短期大学, 日本史学科, 教授 (20188337)
|
Keywords | 日露戦争後の軍政 / 満州の治安維持 / 匪賊 / 馬賊 |
Research Abstract |
最初に平成15年4月より6月にかけて、外務省外交史料館に所蔵する関係記録を調査した。とりわけ、日露戦争後の日本陸軍の軍政下における匪賊の活動は、満州の治安維持と密接に拘わる問題であった。大島義昌関東総督より奥保鞏参謀総長宛の報告や対策に関する請訓、そして訓令。同様に初代奉天総領事萩原守一の日本軍による満州軍政の即時撤廃意見や治安についての林菫外務大臣宛の報告・請訓、同大臣の訓令、さらに満州各地の治安状況や各種事件の報告と在留邦人関与についての詳細な取調べ。こうした日本の対満政策と匪賊の活動に関する外務省の当時の書類は、「支那馬賊関係雑件」の件名で、よく纏められている。本研究はこの関係記録が根幹の史料となるので、平成15年度予算で日露戦争直後より大正中期までを第一段階として区切り、業者に委託してマイクロフイルムに8400コマを撮影し、A4のサイズに焼き付けした9500枚を45冊に仮製本した。 また史料のデータ処理の関係もあって、15年度予算の枠内で、パソコンの機器(ノートパソコン、印刷機、デジタルカメラ等)と関連する消耗品類を整備し、これを活用して作業を進めている。さらに外務省記録「支那馬賊関係雑件」を補完する参考文献類の収集につとの例えば「支那鉄道関係條約彙纂」「清代職官年表」「旧植民地関係機関刊行物総合目録」「全満二十四図書館共通 満州関係和漢書件名目録」などの、参考書籍と資料捜索上手掛かりを与える目録を収集した。 一方、東方学の拠点である京都大学人文科学研究所と同研究所の附属漢字情報研究センターに出張し、本研究に関係する参考資料として、満鉄調査課作成調書や北京満鉄月報、各種雑誌の調査を行ったが、未だ途中である。
|