2004 Fiscal Year Annual Research Report
近代中国における都市と権力-マス・メディアの形成との関連から-
Project/Area Number |
15520429
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
水羽 信男 広島大学, 総合科学部, 助教授 (50229712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽田 三郎 広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40106779)
楠瀬 正明 広島大学, 総合化学部, 教授 (40033518)
金子 肇 下関市立大学, 経済学部, 教授 (70194917)
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Keywords | 中華民国 / マス・メディア / 都市 / リベラリズム / 抗日戦争 / 清末 / 北京政府 / 重慶国民政府 |
Research Abstract |
史料の分析を一層深めるため、科研費研究テーマにかかわる最新の研究について、都市史研究・政治史研究を素材としながら、日本の学界の動向を整理した。その成果は中国語で公表し、研究テーマの分析を深めるための議論を広げた。その結果、中国のマス・メディアの問題を考えるうえで、その内容の面から言えば、リベラリズムに関するさらなる分析の必要性が確認された。また抗日戦争期、重慶国民政府統治下の昆明の重要性についても、認識を深めることができた。さらに都市と権力の問題を考察するうえで、中国共産党の分析の必要性も再確認した。 こうした点を踏まえて、史料の購入に関して本年度は『大公報』を購入する予定であったが、中国での史料公刊状況も勘案して、(1)『民主報』、(2)『雲南大学学報』、(3)『光明報』など、リベラルな傾向を持ち、1930年代から40年代にかけて公刊された雑誌・新聞のマイクロフィルムを、優先的に購入することにした。その際、都市に着目するという本研究の特徴を考慮して、地域的なバランスに留意し、香港や昆明などで発行されたものも購入した。また中国共産党の動静を理解するために、DVD版の『人民日報』を入手した。その他、上海・蘇州や東京へも史料調査に出かけ、関連する文献の収集に努めた。 具体的な分析においては、清末から北京政府時期および重慶国民政府時期の分析を深めた。すなわち清末から1920年代のマス・メディアの発展と社会との関係について、地域的な偏差を考慮にいれながら、検討を進めた。また重慶国民政府期については、昆明におけるリベラルの動静を分析した。これらの分析の結果、清末から1940年代における各地域のさまざまな社会団体・グループと中央政府との相互依存・対立の複雑な関係の一端について、都市を舞台として具体的に解明することができた。
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Research Products
(6 results)