2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520432
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
陳 來幸 兵庫県立大学, 経済学部, 教授 (00227357)
|
Keywords | 東洋史 / 華僑華人 / 社会経済史 / 中華総商会 / 日中関係 |
Research Abstract |
(1)これまで集積してきた史料の分析を通じ、日本における中華総商会の実態と発展過程を、所在地(長崎、神戸、大阪、横浜)の華僑社会のなかで位置付けるとともに、在地日本社会との関係、海外の中華総商会および中国国内の商会・総商会との関係を分析し、ネットワークという視点から中華総商会の持つ意味を検討した。その際注意したのは、各地の商会の規約を精査することで、中華総商会が総じて有していた機能を総合的に分析することである。 (2)シンガポールを中心とする東南アジアの中華総商会(特にタイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア地域)について、先学の研究を吸収整理しつつ、新たに収集できた各中華総商会自身による会史類の刊行物に分析を加え、各地域の中華総商会の発展の過程とそれぞれの社会的背景を明らかにした。その他、米州のサンフランシスコ、ヴィクトリア、キューバについても資料の集積を進め、実態が明らかになった。 (3)中国国内の商会档案、とくに上海市档案館、蘇州市档案館など、現地の档案館に所蔵され、公刊されていない商会関係の議事録などについて、補充調査を実施した。さらに、現地調査(旧蘇州府呉江県地域)の際に、商会の地域社会での役割と商会が歩んできた歴史を確認する目的で、人民中国成立以後に地域の(工商聯合会)商会長を務めた人物について、インタビュー調査を実施した。 (4)最終年度にあたるため、これまで中華総商会に関して各地のシンポジウムで報告してきた中国文の論文の日本語への翻訳をも同時に進め、研究のまとめとして報告書を作成した。
|
Research Products
(3 results)