2005 Fiscal Year Annual Research Report
中国・唐末五代期における沙陀族の動向についての研究
Project/Area Number |
15520436
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石見 清裕 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助教授 (00176562)
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Keywords | 唐 / 五代十国 / 沙陀 / 突廠 / 李克用 |
Research Abstract |
本年度は最終年度にあたるため、報告書作成にむけての作業が活動の中心となった。 まず、『早稲田大学モンゴル研究所紀要』第2号に「沙陀研究史-日本・中国の学界における成果と課題-」と題し、これまでの関連論文21篇を、1.沙陀の系譜、2.山西における沙陀勢力の構造、3.ソグド系民族との関係、4.五代期の沙陀と「漢化」問題、の四分野に分類し、従来の研究動向を整理した。それによって、近年の沙陀史研究の大きな特徴は、沙陀をテュルク系とのみにとらえるのではなく、唐後半期には沙陀は雑多の民族の集合体であり、とりわけソグド系を多くその中に包含しているととらえる傾向であることがはっきりした。この研究総括は、初年度・2年度に収集した関係論文を整理したものであるが、その後、日本では閲覧困難であった中文の論文も入手し得たので、増補して成果報告書に入れる予定である。 報告書の中心は、従来からの予定どおり、『新唐書』沙陀伝の訳注とする。この文献は、唐代の沙陀の動向をまとめた唯一の史料であるが、そこには編纂した宋代史家の合理主義的考え方がはたらいている。特に、沙陀は唐初から唐末五代まで一貫した系譜として追えるものではなく、その意味からも同史料は批判的に扱わねばならない。現在、注釈を付す作業を行っており、完成した報告書には、なるべく多くの関連地図を付し、唐代の沙陀族の動向と、それがどのようにして民族的に混成し、山西に収斂していくのかを、把握できるようにする予定である。
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Research Products
(1 results)