2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520439
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
新谷 英治 関西大学, 文学部, 教授 (20187561)
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Keywords | イスラーム世界 / ヨーロッパ世界 / 地中海世界 / 15世紀 / 16世紀 / オスマン朝 / イスラーム文化 / イスラーム社会 |
Research Abstract |
本研究は、16世紀に至るまでの地中海世界の歴史をオスマン朝を中心に据えつつ再検討することにより、従来ヨーロッパ史の観点から扱われることの多かった地中海世界史をイスラーム史の観点から捉え直すことを目的に、地中海世界に見られるイスラーム的様相を具体的に明らかにしつつ地中海世界のイスラーム世界としての性格を突き止めようとするものである。 16世紀には地中海の海岸線の四分の三がイスラーム世界に取り込まれており、その事実をもってしても、地中海世界がイスラーム的性格を内包することは十分に予想されるのであるが、地中海世界をイスラーム世界として積極的に捉えなおす研究は従来必ずしも多くはなかった。そのため、研究の基盤的作業として、イスラーム世界とヨーロッパ世界あるいはその他の世界に残された広範な史料の比較・分析が必要となる。 このような問題認識にたって、本年度は、昨年度の研究成果を生かしつつ、オスマン朝成立以後(14世紀以後)の文献の調査収集と分析に力を注いだ。具体的には次の内容と手順で基礎的作業および検討を行った。なお、収集された文献の内容分析にあたってはコンピューター等を活用しつつ効率的にデータ処理を行った。 1.地中海世界史関連のヨーロッパ側文献(主として14世紀以後)の調査収集と内容分析 2.地中海世界史関連のイスラーム世界側文献(主として14世紀以後)の調査収集と内容分析 3.地中海世界に見られるイスラーム的要素の検討 分析結果に基づいて検討した結果、地中海世界が単に空間的にイスラーム世界と接触し重なっているというだけでなく、人々の営みの内実においてイスラーム文化、イスラーム社会のあり方に強く影響されていることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)