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2004 Fiscal Year Annual Research Report

近代ロシア農民の帝国内全身分的法秩序への包摂

Research Project

Project/Area Number 15520451
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

吉田 浩  岡山大学, 文学部, 助教授 (70250397)

Keywordsロシア / 法文化 / 共同体 / 法社会史 / 慣習法
Research Abstract

1861年の農奴解放およびそれとパラレルな内容としておこなわれた国有地農民、皇室領農民改革により、ロシア帝国人口の8割以上を占める農民身分は国家法の直接的支配下にはいった。しかし農民世界における慣習法の特殊性を考慮したために、民法分野の多くの点で農民身分は帝国民法典の例外扱いとなった。近代国家としての凝集力を高めるにはこれは不都合なことであったので、政府はその後半世紀をかけてこの「不正常」な状況を改革する必要に迫られた。その結果1870年代から慣習法の研究が各種調査委員会により盛んに行われ、政府レヴェルでは新民法編纂委員会、農民立法見直しのための委員会、農民にとって必要な事柄に関する特別審議会により農民身分を一般民法の支配下におくための方策が議論された。上記委員会の活動について本年度は公刊史料としては20世紀初頭の週刊法律新聞「プラーヴォ」を網羅的に検討し、さらにモスクワのロシア連邦国立文書館所蔵の未公刊史料で委員会の活動を調べた結果以下のことが明らかになった。新民法典編纂委員会は民法分野のほとんどすべてにおいて農民身分を他身分と同権化するという結論を出したが、相続問題のみ例外規定を作ることにした。農民立法見直し委員会は大量の農民慣習法史料を整理してその成文化作業をおこなったが、具体的慣習法を知ったがゆえにその特殊性を強調することとなり、前記成文化法典を農民身分のみの特別法として制定することを主張した。つまり農民身分を民法分野において他身分と同じ法典に包摂することは不可能であるという結論を出した。上記研究成果の一部は2004年9月にモスクワ大学でおこなわれた国際会議「19世紀-20世紀初頭のロシア」で「農民法慣習と民身分の法的統合政策」と題して発表され、近年中に公刊される予定である。

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Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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