2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520476
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清水 芳裕 京都大学, 文学研究科, 助教授 (90127093)
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Keywords | 古代窯業技術 / 土器・陶磁器 / 混和材 / 水簸 |
Research Abstract |
研究課題のうち平成15年度は、古代から近世にいたる窯業製品の性質と分類案に関する研究の調査、および古代土器の混和材の含有率に関する調査を重点においておこなった。 (1)窯業製品の性質と分類については、以下のような諸点を調査した。 19世紀中頃からヨーロッパで始まった窯業製品の分類には、2つの代表的な分類案が存在した。その一つは、フランスのブロニアール(Alexandre Brogniart)が、1844年のTraite des Arts Ceramiques.で示したもの、他の一つはエミール・ブーリー(Emile Bourry)が1897年のTrait des Industries Cramiques.に示した案である。 後者のブーリーによる窯業技術に関する著書は高く評価され、日本で明治時代の終わり頃に採用した、土器・陶器・磁器の分類はこれに従ったものであるが、考古資料においては、古代以降の各時代の日本の製品に適合しないものもあり、その技術の背景について検討中。 (2)古代土器の混和材の含有率 神戸市西求女塚古墳のを中心とする周辺古墳出土の土師器について、砂の混和率の定量をおこなった結果、含有率で20%以上の差を示す試料があり、大型の壺や甕と小型の器台との間における差であることが明らかになった。この差は、成形の技術と使用時の機能に深く関係した、材料の選択と加工の痕跡を示していることが明らかになった(清水芳裕「胎土からみた西求女塚古墳の土器」神戸市教育委員会編『東求女塚古墳・史跡処女塚古墳・西求女塚古墳発掘調査報告書』2004年に報告)。
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Research Products
(2 results)