2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520476
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清水 芳裕 京都大学, 文学研究科, 助教授 (90127093)
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Keywords | 古代の窯業技術 / 黒陶 / 瓦器 / 水簸 |
Research Abstract |
研究課題のうち平成16年度は、古代から近世にいたる窯業製品の性質と分類案に関する研究の調査、および古代土器の色調と素地の調製に関する調査を重点においておこなった。色調については焼成技術と深い関係があり、中国遼寧省四平山遺跡の黒陶および日本の中世の瓦器の黒色化の技術について分析した。また素地の調製に関しては、水簸技術の有無が粘土に含まれる鉄の含有率が、その識別に有益な情報となりうることを確認した (1)明治時代末に日本の窯業製品を分類するにあたって採用された、フランスのエミール・ブーリー(E.Bourry)の試案について、1901年、1911年、1919年、1926年の4版にわたる文献を検討した。その結果、第1版と第2版以後の間には大きな内容の省略が認められること、窯業製品の分類が、材料の差ではなく焼成温度による製品の特徴を基準にして、合理的な区分を試みていることが明らかになった。 (2)胎土の調製技術に関する調査では、中国の黒陶と日本の瓦器の胎土について、EPMAによる分析を実施し、素地の精製の程度とともに、焼成の最終段階で一時的に還元状態において器面の黒色化を生み出したことを、炭素の定量分析によって確認した。また素地の精製の程度は、粘土中に約10%から1%含まれる鉄の含有率の変動によって、区分しうることが明らかになった。 (3)その他、土器・陶器の材料として用いられた珪藻土について、古代窯業技術との関係から、北陸地方および北海道南部を中心とする、日本における分布状態の調査を行った
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Research Products
(1 results)