2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520476
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清水 芳裕 京都大学, 文学研究科, 助教授 (90127093)
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Keywords | 窯業技術 / 胎土 / 混和材 / 素地 / 縄文土器 |
Research Abstract |
研究課題のうち平成18年度は、古代の窯業製品のうち日本の先史および古代の土器・陶器に重点において、製品の特徴と分類の基準、材料の性質と混和材の特徴、粕の成分と発色の関係などについての調査に重点をおいておこなった。製品の分類については、日本の製品の特徴との比較を、混和材の特徴については鹿児島県山ノ中遺跡のの縄文土器を資料として検討し、紬の発色については佐賀県吉野ヶ里遺跡の青く発色する鉛ガラスの成分との関係について調査した。 (1)日本古代の窯業製品の特徴を分類要素との関係から個々に対応させると、一般に〓器とされている資料の特徴と、陶器のそれとの関係は非常に不明瞭であり、日本の考古資料ではこの用語を用い、土器・陶器・磁器に3分類するのが最も妥当であることが明らかになった。 (2)先史時代の土器の混和材については、鹿児島県山ノ中遺跡出土の縄文後期の土器群の分析をおこない、胎土の特徴や混和材の種類が土器型式の違いとも関係していることを明らかにした。その具体的な情報を得るために鹿児島県下の河川堆積物の砂の種類との比較をおこない、これらの土器の製作地との関係を検討した。この調査の成果は研究発表蘭の2項目において報告した。 (3)窯業製品を特徴づける粕の成分と発色の関係について、佐賀県吉野ヶ里遺跡の青色の管玉を参考資料として検討した。これは三彩や緑紬と同様に鉛ガラスに銅の着色剤が加わって、本来は緑色に発色するべきものであるが青く発色することで日本できわめてまれな資料となっている。この発色について成分の特徴と溶融温度との関係などについて検討した。
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Research Products
(2 results)