2004 Fiscal Year Annual Research Report
戦後沖縄における社会運動と投票行動の関係性に関する政治地理学的研究
Project/Area Number |
15520505
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山崎 孝史 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (10230400)
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Keywords | 沖縄 / 社会運動 / 投票行動 / 米軍基地 / 政治地理学 / 日本 / 戦後 / 人文地理学 |
Research Abstract |
今年度は、大衆運動と選挙結果に関するデータの収集と整理をほぼ完了し、大衆運動と投票行動を空間的に結び付ける契機に関する分析を行なった。特に1950年代と1990年代における集合行為と投票行動との関係性に関する分析結果からは、米軍施政や米軍基地の存在が沖縄県民の政治行動に複雑な影響を及ぼしていることが確認された。またその影響とは単純に基地反対の行動を惹起するというわけではなく、基地に関連する様々な財政的経済的波及効果(軍用地料、基地関連補助金、公共事業といった要因)、都市性、およびその他の場所の特性に応じて、基地の拒否と容認という両義的な政治行動が反復されることが実証的に確認された。更に1960年代から80年代にかけての分析を完了することで、こうした政治地理的な傾向が冷戦と日米安保体制の変遷といった歴史的構造要因とどう関わっていたかが明らかにされるであろう。 本研究の成果としては平成16年6月には英語論文'Dreaming of "liberation" by riding on globalization : Oppositional movements in Okinawa‘(グローバル化に乗り「解放」を夢見る-沖縄の抵抗運動、J.O'Loughlin et al. ed. Globalization and Its Outcomes, Guilford)を公表し、17年3月には「安保再定義の地政的コンテクスト-ポスト冷戦期の日本と米軍のプレゼンス」(人文研究56巻)を公表する。口頭発表は平成16年11月に「沖縄の抵抗と「挫折」-ポスト冷戦期におけるその地政学的意味」(東京日仏会館シンポジウム)および「沖縄の統合と抵抗-政治動員に見る構造/主体のダイナミクス」(人文地理学会大会)という題目で行った。さらに平成17年4月にはアメリカ合衆国コロラド州デンバーで開催されるアメリカ地理学者協会年次大会において'A South in the North : the politics of democracy in Okinawa, Japan'(北の中の南-日本の沖縄における民主主義のポリティクス)という題目で英語による口頭発表を行う。
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Research Products
(2 results)