2003 Fiscal Year Annual Research Report
地域イノベーション・システムにおける外資系企業の役割に関する研究
Project/Area Number |
15520509
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
SCHLUNZE R.D 追手門学院大学, 経営学部, 助教授 (70319599)
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Keywords | 外資系企業 / 海外直接投資 / 研究開発 / イノベーション / 誘致政策 / 企業戦略 |
Research Abstract |
1.調査方法 事前インタビュー調査後、平成16年1月から外資系R&Dダイナミクスに関するアンケート調査を実施。R&D活動を行う外資系企業185社に調査票を送付し、84社から回答を得た(回答率45%)。内、34は現在日本で研究開発を行っていない、あるいはすでに外資系ではない、12は調査に参加できないとの回答であった。したがって、分析には38ケースを用いる。今年度、各地投資促進機関に対し地域レベルの補足調査を行い、経営方式とビジネス環境の相互関係に焦点を当てていく。 2.アンケート調査結果 (1)全般 新規直接投資、完全所有の企業が多く、合弁会社は3分の1であった。半数以上の企業は外国人従業員がいない。R&D投資のほとんどが東京を中心とした首都圏に集中。主な産業部門は化学と医薬品である。 (2)研究開発組織と活動 本社あるいは工場敷地内でR&Dを行う企業が多いが、3分の1は独立研究開発センターを持つ。内容は開発研究が多い。当初は技術移転が主であっても、後に応用研究をはじめる企業も多い。日本でR&Dを行うことで、親会社の技術を日本へ移転するだけでなく、市場のニーズに迅速かつ適切に対応し、また日本の先進的顧客とコンタクトをとっている。資源の移転を見ると、親会社からは技術・知識、及び研究開発資金が持ち込まれ、日本からは研究開発成果が親会社等へ移転されることが多い。研究開発実施の最も困難な点は、そのコストが高いことである。にもかかわらず、日本での研究開発は成功している、と答える企業が多い。 (3)研究開発組織の経営 海外親会社から独立し、日本方式に従っている企業が多い。地域外の研究機関と技術・研究面での交流が多く見られる。外部連携の主な問題点は提携の実績がなくノウハウに乏しいことである。 (4)投資サポート機関 ほとんどの企業は利用したことがなく、助成金、下請企業の紹介等の利用が数件あったのみである。
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