2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15520515
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
福浦 厚子 滋賀大学, 経済学部, 助教授 (90283548)
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Keywords | シンガポール / 移民 / 女性 / 労働者 / 結婚 |
Research Abstract |
今年度は、現代の中国からシンガポールへと移動する女性労働者の動向と背景について重点的に調査を行うことにした。シンガポールにおける家庭内労働の外注化は依然進んでいるが、それらを担っているのは、現在では、中国からの女性労働者ではない。フィリピンやインドネシア、ミャンマー、スリランカなどからの女性である。中国からの移民の今日的な特徴は、男女をここでは区別せずに挙げると、高等教育機関への留学や研究者としての就労等といった、専門職へのもの、あるいはサービス業へのものが多くなっている。これは、20世紀後半にシンガポールが人口増を目指して、滞在許可に関する政策転換を図った結果としてみることができる。 海外から流入する人びとを厳しく審査し、滞在許可を与えていたそれまでの方針から、ある一定の基準を満たした者には、滞在許可が比較的容易に取得できるように基準が緩和された。これに伴い、移民の選別が明確になった。例えば、シンガポール人男性と中国人女性との国際結婚も、それまでは数年に及ぶ長い審査を経てようやく滞在許可が出されていたが、この規制緩和により、中国人女性に高等教育の学歴があれば、滞在は許可されるようになった。 そこで、今年度はシンガポールでの海外からの女性移民労働者に対する規制がどのように変化してきたのか、まず明らかにし、その後に、実際に、就労あるいは結婚に際して、どのような審査、手続きが行われているのか、個別に検討することにした。それらは、来年度まとめる予定である。
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