2004 Fiscal Year Annual Research Report
子育てコミュニティとしての地蔵盆の現代民俗学的研究
Project/Area Number |
15520516
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Research Institution | Osaka University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
森栗 茂一 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (20188452)
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Keywords | 子育て / 児重労働 / お接待 / 地蔵盆 / 長屋 / 町家 / 震災復興 / 遍路 |
Research Abstract |
子育て環境の実態に関して、比較民俗学に調査研究した。 1)中国内蒙古自治区、新疆ウイグル自治区における、子育て環境について調査研究をした。 2)神戸市、大津市、四国等で、子育て環境と、民間信仰に関する関係を調査した。 その結果、 (1)中国少数民族は、産業化の中で、児童労働が増え、子育てのシステムが崩れつつある。 (2)草原の暮らしを知らない、都会育ちの子供が増え、民族教育の重要性が、民族学校・大学で模索されている一方で、民族語より、仕事につくために必要な中文教育が重視されている。 (3)神戸・大阪の長屋隣保の地蔵祭祀は、借家人中心のコミュニティ交流システムであり、京都・大津の町家の町人メンバーの町会の地蔵盆と違う。神戸・大阪が、多くの子供に開かれた魅力があるのに対して、京都・大津は、町衆メンバー(大人)の管理下の子供の自由である。 (4)少子化のなかで、地域活動として、地蔵を祀る動きが、神戸の震災復興のなかから現れてきたが、そこでも多くの他地域の子供に開かれている。 以上が、わかった。 上記のことから、子供が主体として町での居場所は、減少傾向にあることがわかる。そのなかで、近代都市の下町の開かれた地蔵盆の意味、それが災害からも再構築されることに注目したい。 とくに、こうした考えが、「お接待」という四国八十八箇所遍路にもとづくものであることを考慮し、今後は 1)四国遍路のお接待と地蔵盆の関係について、そのなかでの子供の役割について、今後、考察をすすめていきたい。 2)子供遍路、子供接待について検討したい 3)徳島県立江寺の地蔵と神戸・大阪の立江講・立江地蔵の関係、立江接待講と近代都市成長との関係を、歴史的にあとづけたい。 に焦点をあてて、結論を求めたい。
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Research Products
(1 results)