2003 Fiscal Year Annual Research Report
在日朝鮮半島系住民の地方地域社会との相互関係、ネットワークと流動性に関する研究
Project/Area Number |
15520517
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岡田 浩樹 神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (90299058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島村 恭則 秋田大学, 教育文化学部, 助教授 (10311135)
政岡 伸洋 四国学院大学, 社会学部, 助教授 (60352085)
鈴木 文子 島根大学, 教育学部, 助教授 (40252887)
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Keywords | 在日朝鮮半島系住民 / 生活史 / 地方地域社会 / 在日外国人施策 / 移動 / ネットワーク / ニューカマー |
Research Abstract |
(概要)平成15年度は、各研究調査の基礎的な資料収集、整理、および一部地域の本調査を行った。 1.研究組織全体としては、7月26・27日に共同研究遂行のための具体的計画を検討する打ち合わせ会議を神戸大学にて開催した。そこで各分担調査地域に関する予備的報告を行い、地方在日朝鮮半島系住民に関する仮説の作成と個別調査における共通の調査項目の策定をおこなった。これに関連し、地方在日朝鮮半島系住民に関する先行研究文献、新聞・統計資料、行政文書などの資料に関する共有のために、データベース作成とメーリングリストにおける情報共有システム構築をおこなった。 2.平成16年1月9日〜12日にかけ、研究分担者の島村が担当する福岡市、下関市の在日朝鮮半島系集住地区の聞き取り調査をおこなった。その際に、この地区の居住状況、家屋構造を精査する必要性が指摘された。そこで建築人類学を専攻する研究補助者に依頼し、平成16年2月13〜15日に実測をおこない、詳細な家屋地図および関連図を36枚作成した。 3.この他、全体調査および各分担者のインタビュー調査成果の共有化を図るため、不定形データのカードシステムを研究補助者に依頼し、これを用い調査資料のデータ入力をおこなった。この作業も最終年度まで継続して行われる。 4.各研究分担者はそれぞれの調査担当地域(神戸、岐阜:岡田、島根半島、鳥取県境港:鈴木、和泉市:政岡、下関、福岡、秋田:島村)において予備調査および一部地域での本調査を遂行した。 5.以上の予備的調査の結果、現段階で判明した問題は、以下の6点である。 (1)地方在住朝鮮半島系住民に関する基礎的調査研究、先行研究が過小であることがあらためて確認された、(2)このため行政政策もそれぞれの状況に対応せず、一般的であり、不十分な状況、(3)一方で市町村史における在日の記述をめぐる議論(下関市)、生活保護などの公的援助の上での問題が発生、(4)地方自治体の国際化政策との不連続性、(5)予想以上に広く流動的な在日の移動と、これを支える家族・親族、出身地域のネットワークの存在、(6)近年のニューカマーの移動に二つのパターンがあること(a.済州島出身者を中心とし、在日のネットワークを利用し日韓を往復するパターン、b.短期の出稼ぎ的なパターン)などである。
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Research Products
(1 results)