2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530002
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
嶋津 格 千葉大学, 法経学部, 教授 (60170932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 義治 千葉大学, 教育学部, 助教授 (50207586)
藤井 俊夫 千葉大学, 教育学部, 教授 (50110276)
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Keywords | 法学教育 / 国民教育 / 法の概念 / 法=権利 / 平等 / 実技教育 / ノウ・ハウ / 正義感覚 |
Research Abstract |
本研究の目的は、初等・中等教育の段階で国民教育として法学の基礎を導入するについて、その方法・効果を検討することにある。これは長期的な日本社会の変革(法=権利中心の社会へ)を見据えたものである。 1)小中学校での実験授業のための教材開発 すでに、米国における刑事事件(「アイスホッケー場外乱闘事件」)と日本の民事事件(「犬の鳴き声裁判」)を教材化したので、本年度は行政事件の教材化に取り組んだ。控訴審判決が下りたばかりの「かいわれ事件」である。担当弁護士へのインタビューと録画、法務省の担当者へのインタビューなどを行い、事件の概要その他の調査と併せて、教材化はほとんど完成した。 2)米国ヴァージニア州で、陪審員教育についての資料を集めた。陪審員に実際に見せるビデオなども、入手した。分析はこれからであるが、これは日本の裁判員制度を考える上でも重要性がある。 3)英文報告 2003年8月15日にスウェーデンのルント市で行われたIVR(国際法哲学・社会哲学学会連合)大会、特別ワークショップLaw Scholarship and Law Teachingにおいて、嶋津が'Legal Mind as Basic Faculty for the Citizens of Liberal States'として、本研究の成果を報告した。これは同大会のプロシーディングズに掲載の予定である。 4)実験授業準備 千葉県立千葉東高等学校の江崎校長の協力を得て、2004年度に実験授業を行うための準備・打合せを行った。すでに2回行ったことのある、千葉大学附属小学校、同中学校でも、新教材によって実験授業を行う準備を進めた(実行は2004年度夏〜秋の予定)。 5)成果報告 これまでの成果と、基礎にある考え方について、雑誌『ジュリスト』に論文(後掲)を発表した。 6)類似の課題について研究会を組織している法務省の研究会(法教育研究会第2回会議、2003年10月15)と日本弁護士連合会の研究会(2003年11月18日)に呼ばれて、嶋津が報告を行った。
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Research Products
(1 results)