2003 Fiscal Year Annual Research Report
フランス・アンシャン・レジーム期の王令登録権:下級裁判所による登録の実証的検討
Project/Area Number |
15530006
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
松本 英実 新潟大学, 法学部, 助教授 (50303102)
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Keywords | 王令登録 / フランス / アンシャン・レジーム / 下級裁判所 / 商事裁判所 / public / パルルマン |
Research Abstract |
フランス・アンシャン・レジーム期の下級裁判所による王令の登録について、本年度はまずその具体的な事例の収集を行い、事例分析を行った。 事例収集に関しては、まず裁判所設立王令に的を絞って探索を行い、次いで対象とする王令と資料の範囲を広げるという方法を採った。用いた資料は、王令集成、裁判記録等の一次資料と、主に裁判制度史に関する二次文献である。 このように検討対象を広げる過程で、二つの分析視角が重要なものとして浮かび上がってきた。一つは、アンジャン・レジームの王令登録の問題を革命期におけるこの問庫の扱われ方、現れ方を導して検討する視角である。具体的にはフランス民法典序章の成立過程の検討が焦眉となる。 いま一つは、王令登録がpublicationを意味する側面について、そこにおけるpublicとは何かを問う視点である.下級裁判所におけるpublicはより限定され具体化された利害関係人として現れることが重要な特徴であると思われる。 以上の検討の進行状況に応じて以下5回の研究発表を行った(「アンシャン・レジーム期フランスのconflit de juridictions---商事裁判所を素材として---」比較法学会第66回総会(大陸法部会個別報告)、2003年6月8日、早稲田大学;「一六世紀フランスにおける裁判所の存在態様と王令の性格---商事裁判所設立過程の考察」新潟大学超域研究機構研究例会、2003年7月31日、新潟大学脳研究所;「裁判所の存在態様と王令の性格」関西フランス法研究会。2003年9月13日、KKR熱海;フランス民法典序章について---古法からの視点---」2004年3月5日、新潟大学超域研究機構研究例会、2004年3月5日、新潟大学法学部;《Du titre preliminaire du Code civil》ストラスブール第三大学法学部、2004年3月25日)。
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Research Products
(1 results)