2004 Fiscal Year Annual Research Report
地方議会の活性化を目指す議会改革の構想および実践に関する研究
Project/Area Number |
15530022
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
村上 英明 福岡大学, 法学部, 教授 (50145182)
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Keywords | 地方議会 / 議会改革 / 地方分権 / ドイツ州議会 / 議会の活性化 / 都道府県議会 / 市議会 / 町村議会 |
Research Abstract |
まず、わが国の地方議会の活性化への取り組みに関する研究として、都道府県議会については、三重県議会(議会改革推進会議)主催の「全国自治体議会・議会改革推進シンポジウム」に参加し、改革のリーダー的存在である三重県議会および宮城県議会における活性化への取り組みの状況および問題点に関する見識を深めた。とりわけ三重県議会では、「二元代表制における議会の在り方検討会」の最終報告書を作成し、議長による議会招集権などの地方自治法改正の提言、議会基本条例制定の提言など積極的な取り組みを推進しており、今後の展開にも注目しつつまとめなければならないと考える。市議会については、鹿児島市議会の取り組み(特に本会議における「一問一答方式」)に関する資料を収集することができた。また今年度は、特に町村議会における取り組みの調査に重点を置き、宮城県本吉町議会および岩手県滝沢村議会へ視察に出向き、各議会の議長、議運委員長、議会事務局長など議会関係者からのヒアリングにより、議会の権限の拡大、住民に開かれた議会の推進、議会運営の改善を目指す具体的な取り組みが明らかになった。そこで町村議会における取り組みについては、全国町村議会議長会において収集した全国の町村議会の動向に関する資料とともに分析し、平成17年度中にその概要をまとめる予定である。 次に、ドイツ州議会の議会改革に関する研究としては、2000年の州憲法改正により大規模な議会改革を断行したラインラント=プファルツ州の議会資料の収集をドイツにおいて行うことができた。当該改革においては、州民発案・州民投票制度の採用により住民と州の間の媒介者であるべき議会の役割の改善を図り、さらに議会の政府に対する質問権の拡充により行政統制の機能を拡大したことなどが注目される。前年度に収集したハンブルク議会の資料とともに、翻訳・分析のうえ、平成17年度中に各議会の議会改革の概要をまとめる予定である。
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