2003 Fiscal Year Annual Research Report
国際的な扶養に適用される準拠法と国家間協力の下での扶養料取り立て制度の研究
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15530032
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
横山 潤 一橋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10129140)
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Keywords | 扶養 / ハーグ国際私法会議 / 条約 / 国家間協力 / 外国判決の承認 / 準拠法 / 管轄権 / 特別委員会 |
Research Abstract |
平成15年5月5日から16日まで、オランダのハーグにおいて扶養に関するハーグ国際私法会議特別委員会(Special Commission on the International Recovery of Child Support and Other Forms of Family Maintenance)が開催された。この会議は、家族関係から発生する扶養の国境を越えた実現を確保するための条約を作成するために、その準備を目的として開催されたものである。同月5日から12日まで、国際法協会(International Law Association)の「国際家族法委員会」(International Family Law Committee)を代表して、オブザーバーの資格で同特別委員会に出席し、討議に積極的に参加した。同会議においてほぼ論点が整理され、条約のおおよその方向性が定められた。予想されたように、行政機関の協力の可能性につき多くの時間(私の出席した第1週目)が費やされた。平成16年6月に開催される第2回目の特別委員会において作成されるべき条約の準備草案の基礎がためができたかと思われる。 日本の観点から扶養に関するこのハーグ条約の内容を策定する場合、日本に居住する子からの(米国など)先進工業国に居住する父にたいする請求とアジア各国に居住する子からの日本に居住する父にたいする請求とを類型的なものとして措定しなければならない。後者の類型との関係では、イスラム法圏の諸国や(ベトナムなど)いまだ裁判制度が完備されていない国をも念頭におかれなければならない。この目的のための調査を行い、「研究発表」に示すように、10月12日に名古屋大学で開催された国際法学会のシンポジウムにおいて、その成果の一部を報告した。
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Research Products
(1 results)