2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530047
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Research Institution | Hanazono University |
Principal Investigator |
古橋 エツ子 花園大学, 社会福祉学部, 教授 (90219121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 義修 武蔵野大学, 現代社会学部, 教授 (60151164)
神尾 真知子 尚美学園大学, 総合政策学部, 教授 (80219881)
三枝 有 中京大学, 法科大学院, 教授 (50247631)
小川 富之 愛知学院大学, 法学部, 教授 (20221848)
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Keywords | 家族の変容 / 配偶者間暴力 / 親子関係 / 夫婦関係 / 児童虐待 / 高齢者虐待 / 虐待予防策 / ネットワーク |
Research Abstract |
「家族の変貌と暴力」の研究実績は、ほぼ研究実施計画にそって行うことができた。 本研究成果の一部は、(1)三枝有「児童虐待への抑止策」(中京大学法科大学院刑事研究会)、(2)三枝有「児童虐待に関する刑事事件判例について」(刑事判例研究会)、(3)三枝有「中日現代社会の共通課題」(中国南開大学)、(4)小川富之「オーストラリアの家事事件処理手続きと担い手の構成」(日本家族<社会と法>学会)、(5)小川富之「日本における親子関係の確定」(アジア家族法三国会議)、(6)古橋エツ子「日本とドイツにおける在宅および福祉施設における高齢者虐待の実態と課題」(マーチン・ルター大学)などで、発表する機会をえた。 海外での調査研究は、神尾真知子が、フランスで初めてDVに関する全国調査を行ったパリ大学人口問題研究所にて得た資料および研究員との議論をもとに、フランスのDVの現状を分析した。とくに、DVへの取組みは、女性の権利と平等局・NGO・女性情報センター・警察などのネットワーク機構が参考となった。また、小川富之は、西オーストラリア州立大学のロースクールにて得た、オーストラリアの家庭内暴力および児童虐待に関する資料および議論をもとに、家事事件に関する家族・親子関係の現状と分析を行った。 なお、荒木義修が調査分析した一般成人対象の児童虐待実態調査では、(1)20〜40歳代グループは虐待経験があったのに対して、50歳代以降グループでは虐待経験が減少傾向にあり、(2)20〜40歳代の虐待要因はストレス・子育てへの不安感など、50歳代以降は体罰肯定・不安定な人間関係などが明らかになった。二つの世代グループ間での虐待発生要因が根本的に異なっている背景には、仮説として、1970年代の石油ショック以降の日本社会の変容による家族形態変化の結果と考える。虐待要因の差から、社会全体が大きく変化していることも読み取れる。
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Research Products
(7 results)