2004 Fiscal Year Annual Research Report
高齢社会の遺産承継、特に比較法から見た遺産承継のための法技術
Project/Area Number |
15530056
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大塚 龍児 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30009815)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 正則 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (70190105)
山本 哲生 北海道大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (80230572)
|
Keywords | 社会法 / 保険契約法 / 遺留分 / 高齢社会 / 遺産承継 / 予防法学 / 生前処分 / 死因処分 |
Research Abstract |
1.本年は、ドイツの遺留分に関する研究と、相続を取り巻く社会法の役割を中心として検討した。 2.遺留分に関しては、予防法学も含めたドイツでの生前処分・死因処分も併せて研究した。具体的には、1970年代始めから、非嫡出子の相続権の承認とともに、配偶者相続権の強化が説かれ、法定相続のあり方が議論された。ところが、その後に、高齢社会の進展と、生前処分・死因処分の増加によって、議論の中心は遺留分に移ってきた。まず、1990年の東ドイツの統合を契機とした、配偶者相続が手厚く、子の遺留分を要扶養性に依存させる東ドイツ法を参照しての議論である。さらに、最近では、遺留分の基本法適合性をめぐって論議されており、その圧巻が2002年のドイツ法曹大会での議論である。以上に関しては、後掲の論文(最近三〇年間の遺留分をめぐるドイツの法改正論議(1)(2)(3))を公刊した((4)(5完結)も脱稿済み)。 3.社会法に関しては、ハンス・F・ツァヒャー・新井誠編「ドイツ社会法の諸問題」(日本評論社・2005年出版予定)に収録の2つの論文を藤原が翻訳した(初稿終了)。 4.その他では、ドイツの相続法の代表的な教科書(ライナー・フランク「相続法」(第2版)2003年・ベック社)、および、ハンス-レオ・バイヤース、マンフレット・ヴァント「保険契約法」(第3版)2003年・ベック社)の翻訳を進めている。
|