2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530067
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河内 宏 九州大学, 大学院・法学研究院, 教授 (40037073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 俊行 九州大学, 大学院・法学研究院, 教授 (80186626)
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Keywords | 経済活動(収益活動) / 法人 / NPO法人 / 中間法人 |
Research Abstract |
法人に関しては、経済活動を目的とするものとそれを目的にしないものに分けて、法人の活動規制をすべきではないか、というのが研究のテーマである。ドイツでは、法人は経済活動を目的とするか否かで分けられているので、今年度は、ドイツの状況を文献で調査した。ドイツでは経済活動を目的としない法人は準則主義で成立するのであるが、このような法人でも副次的に経済活動(収益活動)が許されており、そこに問題は生じないのかを検討した。この副次的な経済活動は例外的特権と見なされているが、立法者の見解では、極めて小規模の経済活動が許されると考えられていた。例えば、博物館の中に、喫茶店を営む程度のことである。しかし今日では、規模の大きい経済活動を営む法人も出現しており、これにどう対処すべきかが問題となっている。一つの見解は、経済活動の部分は、経済目的の法人、つまり株式会社や有限会社で営むべきであるとする。他方の見解としては、経済活動を目的とにない法人の多くは財産をたくさん持っているので、経済活動の分野を切り離すと、かえって法人の債権者の保護に欠けるという。我が国でも、公益法人の設立のためには主務官庁から多額の基本財産を要求されている。このため公益法人は多額の財産を持っているので事実上債権者保護を必要としなかった。しかし、NPO法人や中間法人に関してはそうはいえない。NPO法人では、法人が財産を持つことは要求されていない。中間法人では、300万の基金を要求しているが、同窓会や婦人会のように経済活動を予定してない団体には、これは法人設立の阻害要因となる。経済活動を目的としない法人に関しても、類型化が必要といえる。公益法人では経済活動の部分を会計的に公益活動から明確に区別させ、NPO法人や中間法人では経済活動の部分は原則として有限会社、株式会社で営ませるという方法も考えられる。
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