2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15530067
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河内 宏 九州大学, 大学院・法学研究院, 教授 (40037073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 俊行 九州大学, 大学院・法学研究院, 教授 (80186626)
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Keywords | 非営利法人 / 税制 / 宗教団体 / 労働組合 |
Research Abstract |
今年度は、非営利法人の税制面の検討を行った。今日、公益法人と中間法人とをまとめて、非営利法人制度を民法典に規定しようとする見解が有力である。非営利法人は、許可主義ではなく、準則主義で設立を認めようとしている。税法上の優遇措置は、公益目的のものに限り、同窓会などの中間目的の法人には、これを認めるべきではないといわれている。問題は、だれが公益か否かを判断すべきかである、とし、国税庁が判断すべきか、それとも特別な委員会を設けるべきかが争われている。しかし、そもそも何が公益かが明確でない。公益とは、不特定多数人の利益を目的とする、といわれている。宗教団体は、公益目的とされているが、不特定の人の利益というよりは、信者の利益を目的にしているともいえる。公益とは何かは、簡単ではない。また、中間法人であっても、例えば、労働組合は、組合費などに課税されない。同窓会ではなぜ会費に課税する必要があるのかもはっきりしない。つまり、税制に関しては、宗教団体、労働組合の例でも明らかなように、政治的配慮が為されている、といえる。協同組合などの中間団体が、会社に比べて税制面で優遇されているのも、政治的考慮に基づく、といえよう。こうしてみると、税制をどうするかは、団体に対してこれを奨励するのか否か、という政治的判断こそが重要であるといえる。
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Research Products
(1 results)