2004 Fiscal Year Annual Research Report
紛争処理分野におけるコミュニケーション技法の開発と関連理論の研究
Project/Area Number |
15530068
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小林 久子 九州大学, 大学院・法学研究院, 助教授 (50336038)
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Keywords | 紛争管理 / 調停 / 調停技法 / 調停ビデオ / 紛争管理理論 |
Research Abstract |
コミュニケーション主体の紛争解決方法に必要な理論と技法の開発が本研究の目的である。その目的は、平成15と16年度の研究活動においてすでに85%達成された。そのため、平成17年度の活動としては、これまでの研究成果をまとめること、それを基盤に薪たな研究展開を思考するという二点に絞られてきた。まず、平成16年度に達成された研究成果だが、それは、(1)調停トレーニングの手引書の完成と発刊、(2)調停のデモテープ制作があげられる。 手引書は、真に受講者参加型の練習方法を開発するべく2年間模索されてきたが、昨年完成し、『調停への誘い』というタイトルの練習用手引書として発刊された。現在、学部講義だけでなく、法化大学院や学外調停トレーニングのテキストとして利用されている。あわせて、技法の練習用材料、ロールプレイ用のスクリプトなども大量に用意することができた。これで平成15年度に発刊された『紛争管理論:新たな視点と方向性』と合わせて、紛争管理に関する理論と技法の基本的解説書が2冊用意されたことになる。 技法のデモテープに関しては、初め米国の著名な調停人が制作したテープを入手し、学生と鑑賞した。しかし、使用言語が英語であるため、調停人が使うコミュニケーションスキルの良さがいまひとつ伝わりにくいという問題があった。そこで英語のデモテープを講義で使うことは断念し、我々で独自のものを制作することにした。調停の事案は、ロールプレイ用のスクリプトを使い、法学部の学生、社会人、九州大学芸術学部の学生の協力を得てロールプレイを4日間実施し、テープに撮った。制作した4テープのなかから、ビデオの質と調停内容の良さという点から最良と思われるテープを1本選び、今後の研究用デモテープとすることとした。 さらに、夏にはコロンビア大学、カルドーゾー法化大学院を訪問し、紛争研究の新しい動向について意見交換し、多量の英文資料を入手してきた。資料は平成17年度の活動の一環として読み、今後の研究の方向性を決めるために役立てたい。
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Research Products
(1 results)