2003 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカにおける1940年投資会社法制定の必要性と立法作業に関する研究
Project/Area Number |
15530074
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
川島 いづみ 早稲田大学, 社会科学部, 教授 (50177672)
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Keywords | 1940年投資会社法 / 投資信託 / 投資会社 / アメリカ証券取引法 / 金融サービス法 |
Research Abstract |
平成15年度においては、米国証券取引委員会(SEC)が、1940年投資会社法を成立させるために、1938年から1940年にかけて米国議会に提出した報告書を収集してこれを分析する作業を中心に据え、関連するその他の資料の収集等を行った。資料収集のため、9月9日から17日までアメリカ合衆国に出張し、ワシントンD.C.の国立公文書館や議会図書館、ニューヨークのニューヨーク大学ロースクールブックセンター等を利用した。収集資料が膨大な量に及んだため、分析作業はまだ十分に進んでいない。 SECの投資信託および投資会社に関する報告書は、5部構成(第1部:その起源、範囲、性格、活動、種類および米国での活動の起源、第2部:統計、第3部:組織・運営に関わる濫用および欠陥、第4部-5部:産業界における支配力と影響)の膨大なものであり、別冊として、イギリスにおける投資信託等の状況に関する報告書も作成されていた。1950年代の資料においても、これは政府機関が行った調査活動の中で最も徹底的なものであるとの評価が見られる。また、法案審議に関連する議会資料等から、当初SECが下院に提出した法案は、投資信託・投資会社業界の反対にあって実現を見ず、業界の代表者が提出した案を中心に投資会社法が作成されたこともわかった。SECの法案が投資会社業界に対する監督法規としての性格を有していたのに対して、成立した投資会社法は、情報開示による規制を主たる内容とするものになったようである。 平成16年度には、収集した資料の分析をさらに進め、分析結果を学術論文にまとめる作業を行う予定である。
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